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現役生対象「SR(ソリューションレポート)相談会」を開催しました

 2026年度修了生によるSR(ソリューションレポート)相談会が行われました。今回はSR優秀表彰者5名をパネラーに向かえ、第1部では自分自身の体験談を中心に1年の振り返り、2部では事前に実施していた修了生全員を対象としたアンケートを元にしたパネルトーク、第3部では会場、オンラインからの質疑応答といった構成で開催されました。

 
パネラーから現役生に対しては 「SRを通じて学術の型を知ることで、実務の解像度が上がる」「実践で説得力を持って使えるエビデンスが構築できる」「一人で抱え込まず、教員や周囲の仲間と相談しながらプロセスを楽しんでほしい」といった前向きなエールが送られました。
来年度の修了生のみならず今年の新入生も多くの現役生が参加し、積極的にOBOGの発表に耳を傾けていました。アンケートでも「大変らしいという漠然とした情報の解像度が一気に上がり非常に役に立ちました」「イメージアップできました」「有志での会合の協働レベルが非常に高く、素晴らしい大学院に入れて良かったと感じています」と好評で、現役生にとって刺激あるイベントになりました。


■ イベント概要
日時:2026年4月19日(日)
会場:同志社大学 今出川キャンパス 寒梅館 KMB202教室
参加:DBS現役生・修了生SR優秀表彰者
手法:教室とオンラインのハイブリッド
主催:DBSネットワーク事務局


第1部:基本情報、優秀表彰者の執筆1年記

 【ソリューションレポートの基本情報】
SRの執筆に向けた基本情報を共有。テーマ設定の考え方や、先行研究レビューを行うタイミング、質的・量的分析の使い分け、生成AIの利用ポリシー、そしてフォーマットの厳守が求められること等が説明されました。それに伴い、OBOGが執筆に役立った参考書籍も多数紹介されました

【優秀表彰者のSR1年記】
続いて、5名の優秀表彰者から自身のSR執筆体験が報告されました。

島田さん:ESGと価値共創を基盤とするサステナビリティ経営をテーマに、定量(固定効果モデル)と定性(再帰的テーマティック分析)の混合研究を実施しました。先行研究の早期探索とデータセット構築の難しさを振り返り、一度これと決めたら妥協しない「初志貫徹」の姿勢が重要であると語りました。

 
他4名の概要は以下

真崎さん:働く女性の心理的ウェルビーイングに対するネガティブスピルオーバーの影響を、定量分析で研究しました。ウェルビーイングという「測れない概念」を既存の尺度を用いて多層的に測る工夫を凝らし、「問いの質で研究の8割が決まる」「感情的にならず、ドライに構造として捉えること」の重要性を強調しました。

中井さん:AIやデータサイエンスがエンジニアや組織に与える影響をテーマに、定量分析(因子分析・クラスター分析)で外郭を捉えた後、定性分析(インタビュー・GTA分析)で深掘りしました。膨大な先行研究の管理に「Zotero」を活用し、社内の有識者と早期に壁打ちを行うことで多くのヒントを得たと報告しました。

坂井さん:中小企業のホールディングスが、単なる節税の器ではなく意思決定のプラットフォームとなり得るかをテーマに、定量分析とケーススタディ(アイゼンハートの理論構築)を組み合わせて研究しました。先行研究が存在しないことや、実務家ゆえのバイアスに苦労したものの、大学院の評価基準に自分の考えを常に対比させながら論理展開を構築しました。

三幣さん:住宅建築における「Made By Japan」の価値構築プロセスを研究し、定性(MGTA)から定量(共分散構造分析)へとつなげる混合研究手法を取りました。論文執筆の経験がない中、AIツールや人脈をフル活用しました。また自分が本当に知りたい問いを追求することがモチベーション維持に繋がり、ホワイトボードで概念モデルを構築して周囲と壁打ちを繰り返したエピソードが紹介されました。

第2部:パネルトークディスカッション

21期修了生全員へのSR執筆アンケート結果を元にパネルトークが行われました。

 【アンケート結果の傾向】
テーマ分野としては「組織マネジメント」や「経営戦略」が多く、採用分析手法としては定量分析より定性分析が多く、特にMGTAが多用された結果となりました。スケジュールについては、例年通り年末になるにつれて執筆に集中する傾向でした。秋学期の授業履修とSRの並行作業が難しく、12月ギリギリまで執筆が長引いて苦労した事例も共有されました。

【苦労と工夫、AI・ツールの活用】
執筆の苦労としては、調査分析やテーマ設定、先行研究の不足などが多く挙げられました。思うような有意差が出ず苦悩した声もありましたが、最終的な自己評価の満足度はおおよそ高く、最後までやり切った達成感が伺えました。
周辺ツールについても先行研究管理「Zotero」、インタビューの文字起こし分析「Notta」など最新ツールを駆使している実績が報告されました。AIに関しては、関連文献のスクリーニングや、専門家の多様な意見を整理するための「壁打ち相手」として有効に活用されていました。

第3部:QAセッション

参加者から寄せられた実践的な質問に対して、パネラーが自身の経験を踏まえて回答しました。主な質問(一部抜粋)

• 調査や執筆時間の捻出方法
・1年間の全体の活動スケジュール
• SRのボリューム
• 先行研究の探索方法
• 機密情報の取り扱いへの注意点
• 調査協力者へのフィードバック有無